第24回 ライアーソフト 山原 久稲 編
「日本代表サッカーとエロゲ業界の意外な共通点とは!?」


▲街に突如出現する“森”が課す“リドル”を解き進めていく最新作「Forest」。君はどうとらえた!?
ジーコ!(挨拶) 夜中の1時に某誌編集部にバイクで素材を届けるスーパー広報マン浅野さんからご紹介にあずかりました、ライアーソフト山原ですヨ。まさかあんな時間にお仕事で来るとは思わず、遊んでてスミマセン。ウソ。来るって聞いたので待ち伏せてました。深夜の編集部は楽しいですね。タイトルは内容に関係有りませんよ。

さて今回こちらで書かせていただくにあたり、過去の皆様のコラムを拝読させていただきました。

何を書けばいいのか全然分かりません。というかコラムじゃねぇ〜(言い過ぎ)。

……とりあえず、近況報告してみますか。情〜報〜。今は何もしてません遊んでます寝てます積みゲー崩してますForest売れなくて死にそうです。いやそこまでじゃないです。でももっと売れると良いな〜。

エロゲ業界が「美少女ゲーム業界」と呼ばれてしまう今日び、ああいうゲームは厳しいですよ。口コミでじわじわ売れるのに期待。発売から時間が経過しようと、アナタの心(エロゲ空間)の隙間を、エロゲ界の喪黒福造・ライアーは淡々と狙っておりますぞ、ドーーン!!

コレで終わりに……したら担当のT氏に締め落とされそうだし、折角浅野さんにおだてて貰ったので、コラムっぽいことも書きますか。

Forestは「オーソドックスなアドベンチャーです」と謳っておりますが、市場評価としては「変なゲーム」ということになっているようです。

皆さんは「アドベンチャー」の定義って、何だと思われますか? 直訳すると「冒険」すなわち危険を承知で敢えて挑戦すること。ゲームジャンルとしての意味は「探求」ということであろうと思います。

いつからでしょうか。かつては「解き難い謎」を満載していることが、良いアドベンチャーゲーム(AVG)の定義だった時代があったものですが、今では「いかに正解へユーザーをスムースに誘導するか」がAVGの重要性のようになってしまっている感があります。ゴールへのルートが誘導灯で指示されている迷路のようなものです。親切設計。至れり尽くせり。

そこに快感はあるのか?

「詰まらない」AVGは「つまらない」。僕はそう思います。

AVGをプレイするということは「ユーザーvsメーカー(クリエイター)」の勝負であり、謎を解くことがユーザーの勝利なのです。その勝利の快感=優越感こそがAVGの醍醐味であり、プレイする意義であると考えます。

では「メーカーの勝利はユーザーに謎を解かせないこと」か? そうではなく、メーカーの勝利=ユーザーにいかに快感を与えるか、苦労をして、ゴールにたどり着く課程を楽しませるか、ではないでしょうか。

「今のユーザーはそんなものは望んでいない」とよく言われます。ただ、望んでいないのは、本当にユーザーか? 実は作り手ではないのか? 今の作り手は、ユーザーとの勝負を避けている、ゲームを作るということを「探求していない」人が多いのではないでしょうか。そういったメーカーが、結果的に「望まないユーザー」を生み出しているように思えてなりません。

勝負を挑まれ慣れないユーザーさんは、ゲームにそういった要素を望まなくなり、結果勝負を避けたゲームばかりが売れるようになり、メーカーはどんどん勝負がし辛くなる。そんなスパイラルが、ここ数年延々進行しているようです。

恋愛アドベンチャーというジャンルがありますが。これは僕の定義では「AVGではない」ということになります。恋愛を疑似体験する、つまり「シミュレーションゲーム」の一種で、AVGと称すのは明らかに間違いです。

暴論ですが、恋愛アドベンチャーは、最も作り手側の創意工夫を要さない、記号・パーツを入れ替えるだけで「新作」と称し得る、安全便利なジャンルとして、消費され、主流化しているに過ぎないのではないでしょうか。たまにそういうゲームが流行るのは良いのですが、主流になってしまうのは、明らかに異常です。

無論全てのメーカーが、楽をしようと恋愛アドベンチャーを作っているわけではありません。例えば前回のコラムを書かれたlittlewitchさんは、システム、演出にこだわり、オリジナリティ溢れる恋愛アドベンチャーを作るメーカーさん。大槍氏の絵という武器がありながら、それに依存することなく、細部に至るまでクオリティを追求する姿勢に頭が下がると同時に、同じ畑で勝負することは現状のライアーには不可能に近い、なので恋愛アドベンチャーは作るまい、と思わせるメーカーさんでもあります。ライアーが恋愛アドベンチャーやろうと思ったら、littlewitchさんを潰すか、傘下に入るしか有りません。ああっ、後者の方が遙かに現実的ですよ!?

恋愛アドベンチャーで勝負するというメーカーさんは、システムを凝るとか、演出に凝るとか、「絵と文と音の寄せ集め」にならないよう、創意工夫をする義務があると思います。そしてユーザーや同業者に「コレはウチのゲームを買わないと味わえないモノですよ」という売りでも、醍醐味でも個性でも、そういったものを自信を持って提示して欲しいのです。

その両者ないし、どちらかに欠けるメーカーは、残念ながらこの業界を「消費して食いつぶしている」存在と言わざるを得ません。これは何万本売れたからOKということではなく、むしろ売れれば売れるだけ罪が重いとも言えます。鍋に具を足さず、一人だけ大皿でかっ喰らうようなものです。鍋奉行もご立腹。先人達が具を揃え、ちょっとずつダシを継ぎ足し素晴らしい味わいの鍋を作り出したというのに、現役メーカーは食べる一方で許されるのでしょうか? 鍋を囲ませて貰っているモノとしての仁義を忘れぬことが、最低限の礼儀ではありますまいか?

……え〜、話が逸れましたが、Forestが「オーソドックス」というのは、本来のAVGに対する表現であり、恋愛アドベンチャーを指しているのではない、ということです。

主流から外れているのは間違い有りません。結果売れるかどうかは別の話で(今は分からない=売らない・売れないになってしまうので辛い)。僕らは「ゲームを作って、飯を食いたい」のであって「売れるゲームを作りたい」とか「メジャーになりたい」わけではないのです。それを同人的と言われればそれまでですが。

まあ結局の所、僕らは「好き」でこういったゲームを出しているメーカーなワケで。もし「こういうゲームが売れる時代じゃない。今後も希望はない」と明確に悟った場合は、方向性を変えて生き残るのではなく、メーカー辞めると思います。そんな日が来ないことを祈りつつ…でも今の業界では反主流派の出来る自社努力に限界があるのですよね〜。全体のベクトルが、もうちょっと多様化して、健全な状態に近づいてくれることを願うのみです。努力もそれなりに〜。

さて、次回はそんな僕が心から尊敬するメーカーのひとつ、アボガドパワーズケン太氏にバトンを渡したいと思います。同氏とは酒を飲みながら業界の先行きを話し合う間柄。ウチとは異なるアプローチで、こだわりを貫くアボパ流コラムに期待!(いや別に「またこんな不幸に見舞われてます」話でも「子供が可愛いんです」話でも良いですよw でもビリヤードの話はするナ! ボーリングモナ〜)

というわけでライアーソフト山原でした。相変わらず手短に纏めるのヘタでゴメンナサイ〜。
 山原 久稲 プロフィール
ライアーソフト統括兼広報兼FC担当兼WEB担当兼デザイナー兼雑用係。こないだ人を雇ってやっと少し楽できそうです。父に「南米行こうぜ、会社90日休んで!」と誘われ、そんな休んだら会社潰れちゃうし、もし全然影響なくてもそれはそれで悲しいので断りました。でも旅行行きてえ〜。




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